さて、しばらくは昨年音沙汰無かった間の無駄遣いの記録をしていきましょうか。
昨年の買い物の目玉がコレ、一時期話題沸騰していた(過去形)ヘッドマウントディスプレイ、ソニーのHMZ-T1。発売から遅れること約ひと月で、年末やっとこさ手元に届きました。しばらく使ってみたので、感想を書き留めておきます。
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HMZ-T1 | ヘッドマウントディスプレイ “Personal 3D Viewer” | ソニー
■外形
デザインは近未来的。正確に言うなら、旧世紀末にもてはやされた「近未来」という言葉のイメージ的。けど、実際触ってみるとプラスチックで思ったよりチープです。
結構乱暴に扱っても平気じゃないのかと思わせる造りというか。AV機器というよりはおもちゃですね。ヘッドホン部なんて、航空機内とかで配られるものに近いかも。まあコストや重量との兼ね合いもあるし、値段なりに質感が落ちるのは仕方のないことでしょう。
■装着感
質感落とした分重量は軽くなっているはずですが、実際装着してみるとやっぱりまだ重い。何も対策せずに使うと、支点として頭に接触する場所がかなり痛くなります。
額の上、髪の生え際を親指で力いっぱいおさえて、鼻の方へ引っ張った状態で数時間耐久することを想像してください。場合によってはさらに、眼鏡が接触して鼻頭で抑えつけられる状態になります(こちらはヘッドパッドを厚いタイプに交換すれば結構改善します)。
長時間着用して外した後は、まるで額のあたりにビニールでも張り付いているような違和感が残ります。正直快適とはいえない環境なので、頭にタオル巻くなりニット帽かぶるなり対策が必要ですね。このヘッドバンド、もうすこしカチューシャ的に広い幅とってもよかった気がする。
着脱方法は面倒ですが、一度慣れてしまえばどうということはない感じ。頭の後ろに回すバンドの長さとレンズの幅さえ最初に調整できてしまえば(痛さを除けば)さほど苦労することはないです。
コツは一番最初に後ろのバンドを一番長いところまで伸ばすこと。次にヘッドパッドに頭を当てて、中がよく見える位置でキープ。その状態のまま、伸ばしておいたバンドを縮め、ずり落ちないようにかなりきつく感じる限界まで締めます。
縮めるときはロック解除ボタンを押さなくていいので、ヘッドバンドの分岐点あたりに指を入れておもいきり締めましょう。後頭部に痛みが出るようならバンドの長さを再調整。あとは内部画面を見ながら微調整することで、だいたいスイートスポットに辿りつけるかと思います。
■画質
苦労して装着した後は、思っていた以上に綺麗で迫力のある画面が待っています。さすがの有機EL、鮮明だし角度による色変調も気にしなくていいし、ここは期待を裏切らない出来です。特筆すべきは黒が底抜けに黒いこと。構造的に何も光ってないんだから当たり前なんですけど、液晶に慣れた目には新鮮です。
ただ、HD解像度(720p:1280x720)なので、フルHDの液晶テレビなどに比べると荒は目立ちます。見かけ上の画面サイズが大きいからなおさらです。実写映画だと物足りなさが残るかもしれません。
ゲーム用途としてであれば、荒いドットの方が鮮明感が増して綺麗に見えることが多いです。現状ネイティブに720pのゲームも多いですし、その場合ドットバイドット表示ができる分非常に綺麗です。
目が疲れないようになのか有機ELの特性によるものなのか、光量は結構おさえてあるようです。液晶と並べて代わる代わる比較しちゃうと明らかに暗い。部屋を暗くして映画館のように楽しむことを前提とした場合、丁度それっぽいし不足はないので実質的な問題はないんですけどね。
不満点としては、コントラストが高い場面では画面の光が本体内部で反射するのか、明るい部分が滲んで見えることがあります。黒地に白文字だと分かりやすい。
接眼部分の外周部にも光が反射して、目の端にチラチラと映り込むようなのも気になります。映画などで集中してしまえばどちらもさほど影響はないのですが、気になりだすと疲れるかもしれません。眼鏡を小さめのものに変えた時フレームが気になるのと近い感覚で、見ているうちにほどなく慣れるといいな。
■入力遅延
ここで言うのは、液晶テレビで問題にされるフレーム間の切り替え反応速度ではなく、ゲームをする時に気になるインプットからの表示タイムラグについて。
結果から言えば、遅延は言うほど気になりませんでした。自宅のREGZA 37Z3500と比べて、違いは体感できません。このテレビ自体がお世辞ににもゲーム向きではないため比較対象として微妙ではあるのですが、最低でもそのくらいの速度は確保できていると考えていただければ。
逆から言うと37Z3500程度には遅れるので、ブラウン管プレイに比較すれば確実に遅いです。あとは個人の基準で判断ですね。
遅延が致命的なゲームとして、格闘ゲームのブレイブルーCSやアルカナハート3、レースゲームのWipEout HDなどを試してみましたが、ゲームにならないほど遅れてるってことはまったく無かったです。
ただし、コントローラーやスティックにつられて体が動いた時に一緒に動くので、眼球のゆらぎとのズレで正直酔います(笑)。頭を固定したまま見る映画とかならまだしも、長時間のゲームは三半規管が強い人じゃないと無理そう。RPG程度なら問題ないかな。
■3D表示
正直ここが一番びっくりしました。対応したゲームは一気に別ゲームになります。WipeEoutやSTAR STRIKEがこんなに楽しいとは思わなかったってくらい気持ちのいいゲームになります。新作ソニック『白の時空』の体験版とかも3D対応なのでためしてみるといいかも。やはり今3Dを楽しむならHMX-T1は一番だと思う。
こうなるとアンチャーテッド3も欲しくなってくるよなぁ(笑)。
■その他
で。最終的に一番困るのは片付ける場所でした。形的に積むわけにもいかず、どうしたもんかねぇ。今年も宝くじは当たらなかったんで、広い部屋は買えそうにありませんし(笑)。